サービス精神と付加価値の関係(ステークホルダーとの付き合い方)

ソフトウェア産業では、製品であれ、作業であれ、競争が激化し、付加価値の重要性が取り立たされて久しい。しばし付加価値とはなにか考えてみたい。製品に関すれば、付加価値とは特有の機能であったりサービス、もしくはアフターマーケットであったりする。では、作業を考えたときの付加価値とは何であろうか?

私はサービス精神だと考える。作業を行う際に、自分の担当範囲外の作業にまで余裕を持って目をむけ、如何に手助けや連携しながら、協調し合えるかが、最大の付加価値ではないかと考える。それ以外に、特殊な技能や、特化したスキルなどもあると思われる。確かに、それらも重要かもしれないが、それらは、本来付加価値で備えるものではなく、付加価値としてしか利用価値が無いのであれば、本来の必要性を欠いている。

プロジェクトには、ステークホルダー(利害関係者)が必ず存在する。ステークホルダーとの関係を良好に保つことがプロジェクトを運営する上で非常に大事である。その、ステークホルダーとの付き合い方も、サービス精神から良好な関係を築ける。それは、相手の立場に立ち、相手の望むことを洞察し受け入れるサービス精神が持てれば、自ずと良好な関係に向かうのではなかろうか。しかしステークホルダーの要望は時に相反するものである。これらを受け入れるには、それなりの作業やリスクが伴う。だから開発陣営では強固に対峙する傾向にある。だが、まずはその要望が無理なら、それらの妥協点を見つける度量が必要であろう。それがプロジェクトを成功に導くものであるなら。サービス精神とはいつの時も、前向きな考えと余裕を持ったスケジューリングから生まれるものである。このような付加価値は影響をうけ次々に伝播する。この良い循環が広がればそのプロジェクトチームは半分成功したようなものである。誰かのささやかな行動が成功を呼ぶのです。


vol.53

プロジェクトだなんだと言ってもすべては人が行うこと。人のことが分らなければうまく行きません。ただし人は相反するものだから調整(プロマネ)が必要なのです。ひとことで言えばそれまでです。


時に東日本大震災が起きました。皆自分を優先したい時だからこそサービス精神(=思いやり、助け合い)が一番の贈り物だと実感します。