適切なメンバーアサイン

チームに多種多様な人材が必要なことは既に述べた。ここでは、チームメンバーに作業を割振る場合の割振り方について述べてみたい。まず、初期のチームメンバーの作業アサインは非常に重要な作業であり慎重に行うべきである。この担当で今後チームメンバーと共同作業を行い、チーム内文化を養っていくことになるのだから、メンバーアサインを誤ると致命的である。その場しのぎでチームを編成すると、チーム間移動が多発しせっかく培ってきたチーム内での文化が、移動が発生するたびに再構築を余儀なくされ、チームとしてのうまみを生かせない。チーム間の移動は出来るだけ起きないように考慮すべきである。仕方なく移動する場合は、上記のようなマイナス要因と秤にかけて判断することが必要である。


ソフトウェアの開発を行う際、工程ごとに必要なスキルは異なる。また、機能ごとに難易度も異なり、それは、設計面の技術スキルを必要としたり、他チームとの折衝等のコミュニケーション能力を必要としたり、もしくは多くの要員を要するチームゆえ管理面が重要な意味を持つものもあるだろう。要するに、リーダーは作業割振りを行う場合は、その割振るブロック毎のKey Point、必要とするスキルや規模、難易度などのあらゆる情報をイメージできなければならない。それだけでは不十分である。おこがましいようだが、各メンバーの能力や性格、作業の質やスピード、打たれ強いか弱いか、などの多種多様な情報を把握しておかなければならない。そのためには、リーダーは日ごろチームメンバーの作業態度や作業内容について気を配り、出来るだけ接するようにすることにより、そのチームメンバーが現在最も適している作業は何かを意識するべきである。現在最も適している作業とは、次のステップとして求められる作業を示す。


これらのイメージが出来たとき、リーダーは初めて作業割り振りの検討とスケジューリングが可能となるのである。作業割振りを行う際にはチャレンジングイメージを見えるように出来るとよい。それを担当者に示せると、発奮の材料となりその後の目標ともなるため、成果を期待しやすい。作業見積もり、メンバーの能力のどちらかを見誤っただけで、当初予測していたスケジュールをクリア出来なくなる。それは、リーダーの責任に他ならない。計画通りに進まないチームがあった場合は、リーダーはどちらの問題であるかを判断し、迅速に軌道修正を行うべきである。


vol.14

最初のメンバーアサインを見誤ってしまうとそのチームはいつまでもギクシャクしてしまいます。最初のメンバーアサインが適切だとリーダーに関わらず勝手に進んでいってくれます。リーダーは前記のほうが仕事に満足感を覚えるかもしれません。でも、後記のほうが良いチームに育ちます。「リーダーなんかいなくでも出来る」「あいつは仕事をしていない」とか言われるかもしれません。ですが、そう言わせることが真のリーダーの仕事なのではないかと思います。