Framework について考える Framework の生立ち

日本の製造業は、1970 年代から1980 年代にかけて品質に関しては世界に対し大きなアドバンテージを持ってい
た。それは、終戦復興から培ってきた品質管理ノウハウであるQC, TQC を確立できたことが大きな要因として上げられる。
この日本的な品質管理や管理技法を世界は取り入れ発展させてきた。しかし、これらは技術的見地から生まれたノウハウであり、プロジェクトのような総合的な管理の考えではなかった。その頃の規模のソフト開発に関してはおおむね成功を収めてはいた。しかし、今日の複雑かつ大規模化したシステムには適用し得ないことと、そもそもこのノウハウ自体がハード製造に関したものであり、ソフト分野の管理には適していなかったと考えられる。その理由としては、ソフトウェアとは製造物そのものが目に見えない、よって製造過程や進捗も目に見えないため進捗率や問題点が目につきにくく、管理が非常に困難なことが挙げられる。例えば、建築業であれば、建築中に建物が傾いていれば完成していなくともその場で“目に見える“形で問題が露見するものだが、ソフトではある程度完成してテストフェーズに入らないと問題を認識することが出来なく、かつそこからの手戻りが非常に大きい。
しかし、世界に目を向けると、プロジェクトマネジメントの考えは古くピラミッドの時代から手法があったといわれるほどで、アメリカでは古くからこの考えが根付いている。品質管理に関しても、米国防省が調達企業に対し課したとされるCMM(Capability Maturity Model)などがある。CMM は、品質管理を製品ではなく、プロセスに置くもので、これにより、品質の向上と管理面の強化を目的としている。
現在のプロジェクトマネジメントは経営までも巻き込んだ、組織全体のマネジメントとの整合性を持たせたプロジェクトマネジメントである。それらはモダン・プロジェクト・マネジメントと呼ばれている。現在世界で主流になっているのは、米PMI(Project Management Institute)で策定されたPMBOK(Project Management Body of Knowledge)がある。


vol.7

PMI東京支部では、10月18日に「公共セクターにおけるプロジェクトマネジメントの活用 〜日米におけるPM活用の現状と今後の可能性〜」と題して、ニューヨーク州におけるプロジェクト・マネジメントの活用事例や、公共事業、公共セクターにおける活用についてセミナーが開催されるそうです。
http://www.pmi-tokyo.org/info/0710ssemi.html


公共の不祥事が続くなか、プロジェクト・マネジメントに対する関心の高さが伺えますね。