スケジュールの重要性(スケジュール配分)

プロジェクトを立ち上げる際に、必ずスケジュールの策定(Time Management)を行うと思うが、このスケジューリングに、皆どれほどの重要性を見出せているだろうか。驚いたことに、スケジューリングを行っていないリーダーも多いと聞く。スケジュールとは、作業項目単位にしっかりBreakdown され、作業見積もりが行われた後でないと、本来策定できないものであるが、実際には、プロジェクトとしての大線表は、営業からの要望であったり、上層部から提示された終了日などの、経営上のデータから逆算し、線を引くことが多いのではないだろうか。そのスケジュールは、開発陣営にとっては、なんの意味も示さない。如いて言えば、上層部や営業の”思い”だけは、汲み取ることが出来る。それが、”脅し”や”プレッシャー”を含んでいるだろうことを意識しながら。


確かに、プロジェクト全体の大線表ともなれば、致し方の無いことかもしれないが、サブチームでも、大線表のそのまま焼き直しを行っているリーダーが、多いことが目に付く。だが私は、各チームのスケジュールは、非常に重要で、具体的な内容で無ければならず、プロジェクトを遂行する上での、”戦術”が盛り込まれていなければならないと考える。このスケジュールをもって、リーダーはメンバーに対し、如何にこのプロジェクトを遂行するかの、作戦内容と実現可能性を示すのである。メンバーは、その内容を聞き、実現可能と判断すれば、先に示したビジョンが方向性であれば、このスケジュールにより、進むべき”方法”を知ることになり、少しぐらい困難だとしても、果敢に取り組むことが出来る。しかし、このスケジュールが、大線表の焼き直しのような、非現実的なものであるなら、メンバーは絵に描いた餅とばかりに実現不可能として捉え、それなりの作業しか行わなくなる。それは、スケジュールがそのうち変更になるだろうと、待ちのスタンスになってしまう。


スケジュールとは、プロジェクト遂行の要となるものである。ただの予定ではなく、その後、進捗管理にも用いられ、上記したように、チームの戦略を示し、モチベーションを上げる材料としても役に立つ。それほど重要であるにもかかわらず、ほんの数時間でスケジュールを立て、しかも、ただ線を横に並べただけの、情けないものが多すぎる。このスケジュールに、プロジェクトの命運がかかっているのだと思いながら、1週間くらいかけて、何度も何度も書き直すくらいの意気込みが欲しい。スケジュールを考えていると、重要なポイントや、いままで見えなかった課題、戦略上のアイデアなど、いろいろと頭に浮かんできて、プロジェクトのイメージが鮮明になるものである。


vol.27

経営戦略や営業戦略上のスケジュールもまた重要な情報源の一つです。これが全てとはもちろん言いませんが、ステークホルダーの主要なメンバーの一つであることは間違いありません。ですが、プロジェクトが成功しないことには意味がありませんので、それらと調整を持つことこそが大事なプロマネの仕事なんだと思っています。