割り込みの危険性

日々の業務で、割り込み作業が占める割合を、意識したことがあるだろうか?たぶん、3割から5割を占めるのではないだろうか?しかも、その割り込み作業は、断続的に発生し、こちらの状況も知らずに、なりふりかまわず発生する。割り込み作業には、電話の応対から、ちょっとした問い合わせ、緊急の対応などの大きな作業から、上司からのどうでもよい世間話など、さまざまなものがある。電話の音や騒音、後ろを歩く人の気配、遠くから聞こえる怒鳴り声や、館内放送などの環境に依存するものも、思考を中断すると言う意味では、割り込み要因になる。


エンジニアとゆう、知的創造を行わなければならない職種にとって、割り込みは非常に有害である。それは、知的創造作業は、頭の中でロジックを構築し、重ね重ね検討をしなおす作業である。その熟考中に、割り込み作業が発生すれば、思考は中断してしまう。割り込み作業が終了した後に、再度続行しようとしても、集中するまでは時間がかかる。(ちなみに、人間は、非常によく集中した状態になると、周りのことが気にならなくなり、作業にとことん打ち込めるような状況になることがある。これは、ちまたで、トランス状態とかゾーンとか言われ、トップスポーツ選手が備えている、と言われているものである。ここまでの集中状態は、まれだが、そのような状態は、知的創造作業にも必要である)集中して作業に入れたとしても、そこまでのいきさつを、忘れてしまっている。もう一度、断片をつなぎ合わせ作業に復帰する。


このように、非常に多くのロスをしてしまう。もしかしたら、二度と割り込み前の、ようなすばらしいひらめきは、出来ないことだってありうる。このように、割り込み作業が発生する環境は、エンジニアにとって好ましくないものである。管理者は(もしかしたらエンジニア自信も)、この弊害に、気づいていないかもしれない。そんなもんだろうと、思っているかもしれない。だが、ここで失っている、多くの知的創造力を見過ごしてはいけない。管理者は、チームをよりよい環境で作業できるように、数人の個室や、電話問い合わせのエチケット、館内放送の停止や、リフレッシュルームの確保などに、全力を尽くすべきである。確かに、お金の問題や、場所の問題など、多くの弊害があるだろう。だが、これらを、クリアするように努力することは、エンジニアに伝わるはずであり、最終的には、プロジェクトの成果となって帰ってくるはずである。


vol.44

電子メールが一般化している現在では電話による割り込みは多少緩和されているのではないかと思います。逆に情報社会である今は自らが割り込みの無い(しない)環境をいかに作るかが能率を左右することにになるのではないでしょうか。集中すべきときは作業中にメーラは立ち上げない、コミュニケーションをとる場と作業する場のメリハリをつけるなど・・。人は一日に1、2時間ほどしか集中を持続できないといわれています。この時間を有効に使うかどうかは自分次第です。