プロセス改良について考える

プロセスを改良する場合、改良する視点に2通りある。ひとつは、そのプロジェクトの環境や状況に合わせて最適なプロセスを構築すること。もうひとつは、Framework に合わせたプロセスに改良するケースである。プロセス改良の目的は、プロセスを改善することにより、従来より性能の高いもの、品質に優れたものを生成することを目指しているわけだが、2つのプロセス改善は目的を異にしている。プロジェクトに合わせたプロセス改善は、そのままプロジェクトに恩恵をもたらすが、Framework に合わせたプロセス改善は、必ずしも適用したプロジェクトに直接恩恵を与えるとは限らない。Framework に合わせたプロセス改善は、もっと先を見た5年後10年後、もしくはもっと大きな組織の観点で効果が現れるものである。取り組みとしては意味のあることであるが、そのプロセス改善は、現プロジェクトには逆に負担を強いることにもなりかねない。プロセス改良は、よりよいものづくりを目指す製造業には必須であり、それはプロジェクトは日々進化し変化していくものだからである。過去の成功体験にとらわれてはいけない。リーダーはプロセス改良の性格をよく理解して現場に適用していくべきである。


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プロジェクトに合わせたプロセス改良の代表格はトヨタの「カイゼン」でしょう。設計から工員まですべての人が設計の改善と品質問題の解決に努めるという考えは技術志向職人型といえます。それに対しフレームワークCMMIなどのマネジメント志向組織型のものがあります。目的はお互い異なりますが、プロジェクトに負担がかからずかつ中長期的に変化に対応できるプロセスを組み上げることが大事かと思います。