ITプロジェクトの予算オーバー

「民間部門で実行されているITプロジェクトの3分の1は本来の予算を10〜20%上回っている」との調査結果が米調査機関より報告されているらしい。
ITプロジェクトの3分の1は予算オーバー--米調査
http://japan.cnet.com/svc/nlt2?id=20356469


プロジェクトの3大要素「品質」「納期」「コスト」のひとつである「コスト」は多くの場合プロジェクト運用会社の負担になります。ですが、この場合そのほかの二つの要素「品質」「納期」には影響は無いのでしょうか?ただ単純な見積りミスであればこれほどの比率で予算オーバーする事は考えられません。考えられるのはスケジュールの遅延です。仮に要員を追加して期限内に収めたとしても「品質」を犠牲にする事は目に浮かぶしブルックスの法則に反します。

予算超過の主な理由としては、不十分な予測とプロジェクト範囲の拡大、複数プロジェクト間の相互依存や矛盾といった問題が挙げられていますが、どれもツールや手法でどうにかなる問題ではなく、人と人のコミュニケーション、人材の活用、組織的な整合性の調和といった「人」が介入する部分が大事であるといえるでしょう。そういった意味でのプロジェクトマネジメントは元来日本人は得意なはずですが最近は欧米化が進み薄れてきている感じもします。

それにしてもプロマネの先進国である米国でもこのような調査結果がでるとはちょっと意外でした。日本も本来のよさを再認識する時期かもしれません。