プロフェッショナル集団 v.s チーム

例えば幾つかの機能を担当し、チームメンバーを割り振るときに、その機能に専属担当をおくのがプロフェッショナル担当の考えで、幾つかの関連した機能をひっくるめてリーダーを置き、数人で複数の機能を担当するチームを編成するのがチーム担当の考え方である。


この二つの方式について考えたい。技術的に見るのであれば専属担当を置いたほうがロスが少なく、担当者は個々に理解を深めその方面のプロフェッショナルに成長していく。特に問題は無いように感じるが、チームとして見た場合の総合力の観点では、チーム方式の方が有効であると考える。それは、プロフェッショナル方式の場合は、個人の技量に左右されるところが多くその判断さえも難しい。さらにいざとゆうときに担当者の代わりを用意することが難しくその担当者に頼る形となってしまい、担当者をプロジェクトに縛り付けてしまう。これではその担当者は、いつでも業務につかっていなければならず、プライベートな時間や何かしらの緊急時にチームに影響を与えてしまうこととなる。


それに引きかえチーム方式の場合は、複数の機能をチームリーダーが責任を持ち概要を把握する。チームメンバーは、担当範囲を少しずつ重複させながら、専門技術を担当する形となる。このような体制の良い点は、ある機能を知るエンジニアが複数存在することによりレビュー効果が期待でき、更にいざとゆうときに特定のメンバーに固執せずに対応が可能である。また、リーダーも概要を把握しているので簡単な問題であれば対応が可能になり、対応力が格段に向上する。また、ある担当者のスキルが低いとき、リーダーは自分がアドバイスできれば行い、出来なければチーム内のスキルのあるメンバーに応援を頼むことが出来る。責任分担もリーダーの責任になるので明確である。作業が重複する箇所があるように感じロスがあるように思えるが、作業は少しずつオーバーラップしていたほうが、互いに問題を指摘することが出来、より精密な設計が可能であるし、対応力を向上させる。また経験の少ないメンバーも経験のあるメンバーとともに配置することが出来、教育になるので人材の育成に有効である。


このように、機能ごとに担当者を割り当てることはたやすいが、あえて組織的なチームを組むことによりチームの技術力・組織力・体力を飛躍的に向上することが可能となる。このようなチーム編成は、一回限りのチームではなく文化を持った永続的なチームを生むことが出来るのである。


vol.13

どちらも一長一短はあると思いますが、長い目で見て、メンバーの成長、チームの永続性、チーム力の向上等々考えれば、やはりチームを組むことの意味は大いにあるんじゃないでしょうか。