管理者の幻想 −メンバーの為に本当にすべきことは− リーダーシップとマネジメント

プロジェクトリーダー、もしくはプロジェクトマネージャーは、リーダーシップとマネジメントの2つのスキルを持たなければならないのは周知の事実である。だが、その二つのスキルは、まったくもって別物であり、相反するスキルであるともいえる。


企業では、主任や管理職になると、マネジメントスキルを伸ばそうと、研修に駆り立て、世の中のさまざまな管理の仕方を学ばせる。これは、メンバーを如何に管理するか、言い方を変えれば、メンバーに如何に仕事をさせ、メンバーが隠している”うそ”を、如何に見破るかを目的としている。一方、リーダシップスキルは、これといった教育方法は確立されておらず、”天性のもの”として、あきらめられているのが実状ではなかろうか。だが、世の中には、類まれなリーダーシップを発揮する人が存在し、そのような人が存在するプロジェクトは、必ず成功を収め、後々語り継がれるような伝説のプロジェクトになることがある。だが、優れたマネジメントスキルを持った人が存在するプロジェクトが、成功を収めたと聞いたためしは無い。


このことから、リーダーシップとマネジメントスキルの2つのスキルが必要である場合、必要不可欠なスキルはリーダーシップであることがいえる。だが、マネジメントスキルは、必要最小限でもよく、どうしても不足しているようなら代替でも構わない。プロジェクトリーダーの右腕として、マネジメントスキルに精通している人材を用意すればよい。


では、リーダーシップはどのようにしたら習得できるのだろうか。これは、その人の人間性がものを言う。リーダーシップを発揮しようとすれば、自己鍛錬あるのみであると思う。利己的にならず、メンバーと顧客、世の中のことを考え、本当に必要なことは何なのかをまじめに考え、実践できるように自己を鍛錬するのである。そうすれば、自ずとそのような存在が醸成され、周りもついてきてくれるようになる。リーダーシップとは、如何にまじめに、熱心に、自己犠牲を押して、先に進めるかであると解釈する。


vol.22

管理というのは何かをする為に行うのであって、リーダーシップは何かをやり遂げたいから行うものだと思っています。要するに管理は副次的なものであり、リーダーシップは直接的に作用するもの。おのずと違いは明確で役割も異なりますよね。


ちょっと違う話になりますがZDNetにJody Gilbertという方の記事がありました。


ITプロジェクトを期日までに終わらせるための必携十訓
http://japan.zdnet.com/go?id=363386&tag=zdnw

必携十訓とは

  1. 要求を詳細に分析する
  2. 利用可能なリソースを的確に割り振る
  3. レーニングを実施し、知識の移転を行う
  4. リスクを洗い出す
  5. 予測をたて、的確にタスクを割り当てる
  6. 仕事をモジュール化する
  7. 余分な会議を設けない
  8. ものごとを書き記しておく
  9. 世界規模の分散開発に注意を払う
  10. 問題を上司に相談する

どれも納得いく内容です。どちらかといえばごく当たり前な内容でかなり日本的です。これらの事項を行う際に注意しなければならないのは一貫性を保つことだと思います。その一貫性を貫く為には、上記したリーダーシップの<信念>が焼き鳥の竹串になるんです。それが無いとただの”管理ごっこ”になってしまうのではないでしょか。