設計だけが開発ではない

スケジュールを策定する上で、もうひとつ重要なことは、開発は、設計作業だけではないとゆうことである。リーダーの究極の雑用とは、まさにこのことである。メンバーが行う創造的開発が、如何に効率よく行われ、且つそれらが滞りなく検証できるかが、スケジュール上非常に重要である。


一つ目には、開発環境が上げられる。開発を行うのはPC 上なのかUnix なのか、記述する文字言語は、文書フォーマットは、使用するツールは、、などなど、開発を行う上での制約は、多いものである。これらを、メンバーに託してしまえば、その分、メンバーの生産性は、低下してしまう。そんなつまらない事に、メンバーの創造的な時間を、費す事無く、プロジェクト開始後には、スムーズに開発作業に入れるように、事前に手を打っておく必要がある。


二つ目には、品質管理である。品質管理というと、エンジニアが一番嫌うところであるが、その理由は、大きな意味を成さない上、奪われるリソースが大きく、煩雑であることが多い。エンジニアは、自分の作ったものに、間違いはないと思うものである。だが、ソフトウェアにバグが無いことは、有り得ないことも認識している。本来の品質向上のためには何を行い、それが、メンバーにどのような恩恵を与えられるのかを説明し、開発の邪魔にならないように、純粋に品質の向上に努めるべきである。決して、管理上だけの品質管理を行うべきではない。


三つ目には、テスト環境が上げられる。プロジェクトとは、新たなものを生み出す作業で、大概、そのための環境が整っていないことが多い。テスト環境は、非常に重要である。テスト環境が充実していないと、スケジュールの遅延につながり、且つ、評価不十分なものを世に送り出すことになる。テストは、プロジェクトにおいて開発作業以上に、重要なのである。具体的には、テスト計画やテスト体制、または評価機材の入手(これにはお金が絡むことが多い)、人材の確保、など考えるべきことは、きりが無い。


それ以外にも、細かいが、開発に大きく影響を与える事項は多い。担当がいないからと、後回しにしてしまわないで、環境を整えることが、プロジェクト成功に大きく影響を与えることを認識し、リーダー主導で、正面から取り組むべきである。


vol.29

メンバーが持つそれぞれのタスクをいかに効率的に繋ぎ合わせるかが、プロマネの本質なんだと思います。それが出来るかどうかでプロジェクトの成否もしかり、メンバーのパフォーマンスが大きく変わっていくのだと思います。