デザインの重要性とその体制

計画フェーズにおける、機能デザイン作業は、その後の設計作業に、大きな影響を与える。機能デザインがあいまいであると、そのあいまいな仕様のまま、設計が進められ、設計作業の中で、矛盾が生じ始める。設計作業で拾うことのできる不具合は回収されるが、各コンポーネントにまたがるような広範囲な事項は、インテグレーションフェーズまで発見されず、IT工程になってから発覚する。そこから、手戻り作業が発生することになってしまうが、ほぼ設計の完了したシステムに、改修を入れると言うことは、この上ない慎重さを必要とする、やもすると、システムのバランスを崩し、取り返しのつかないことになる。このようなことから、機能デザイン作業は、慎重に確実に行わなければならない。設計を成功させるためには、機能デザイン作業の確実さが必須である。


確実な機能デザインを、行うための体制について述べたい。機能デザインは、一貫して、統一したポリシーとセンスが必要である。これは、チームの人数が多くなればなるほど、統一することは難しくなる。理想は、数人の選ばれたメンバーで、意識を合わせながら行うことが望ましい。機能のポリシーの統一は、後々の開発作業を行ううえで、この上ない影響を与える。それは、詳細設計を行う際の、よりどころとなるからである。このような意味からも、機能デザインは、少数チームにより実施するべきである。


vol.33

近年は設計の重要性はあたりまえのこととなっていますが、このころは組込みの代表語であるまさに”摺り合せ”でした。これを書いた頃はまさにその限界を感じていた頃といえるでしょう。革新的なものや考えは少数の人間から発せられるなんてことを聞いたことがあります。そこまでは言いませんがそれに近いものがあります。