要員追加の危険性

多くの人は、スケジュールに遅延が生じ始めると、人員の投入を開始する。人を突っ込めば突っ込むだけ、その分早く完了できると考えている。これは幻想である。大きな間違いである。人員の投入は、そのチームに負荷にはなっても、進捗を改善することにはならない。それは、人員の投入によって、その人員の勉強期間が必要になる。その期間は、1ヶ月か2ヶ月かは人によるが、その期間中は、非稼動状態になる。それだけならましだが、その勉強を行うために、既存のチームメンバーが、労力を割くことになる。ようするに、マイナスの稼動状態に、なるとゆうことである。ところが、人員投入されるようなトラブルを抱えたチームは、そんな余裕は無く、人員の育成はままなら無い。また、チームワークもただでさえ取れていないところに人員が増え、さらに悪化するだろう。その場合、チームの力は期待出来ず、マイナス方向に働いていることになる。結局、人員を投入しなかったときに比べ、投入したほうが、さらに進捗を遅らせることになる。これが人員投入の実態である。


ようするに、スケジュールの遅延を止める手立ては、基本的には存在しない。人員の投入なんてゆう、一番管理者が考えそうなことは、さらに重荷を背負わせるようなものであり、短期的には、何の意味も成さない。だからこそ、初期の規模・体制の見積もりや、スケジューリングは、最も重要なのである。このことに、管理者は早く気付くべきである。


vol.37

一番簡単と思える方法ほどうまくいかないことの典型だと思います。急がば回れの気持ちが妥当なところではないでしょうか。マネージャーはいかに忙しくても今ある現実を直視して甘い言葉に惑わさないことです。